第34回東京国際映画祭『ちょっと思い出しただけ』舞台挨拶レポート

松居大悟監督の誕生日にTIFFで世界初上映!


2021年11月2日、第34回東京国際映画祭のコンペティション部門の『ちょっと思い出しただけ』が角川シネマ有楽町でワールドプレミア上映されて、上映前に舞台挨拶が行われた。松居大悟監督と河合優美、サプライズで池松壮亮が登壇した。


ーー監督の松居大悟さん、そして、ご出演されている女優の河合優実さんです。お二人にご挨拶をいただきたいと思います。監督、お願いします。


松居監督:本日は、東京国際映画祭『ちょっと思い出しただけ』のまさに初日。ワールドプレミアにご来場いただきまして誠にありがとうございます。今日は、僕の誕生日なんですけれども。(会場から大きな拍手)あっ、ごめんなさい。そんなつもりではなかったんですけれども。映画の誕生もそうなんですけれども、作品を観てもらったら分かる通り、誕生日にまつわる映画になっているような気がするので、それを上映初日にしていただけたことをすごく嬉しく思っております。今日は、よろしくお願いします。

ーーありがとうございます。そして、おめでとうございます。河合さん、ご挨拶をお願いします。


河合:河合優美です。今日は、映画の誕生を見届けに足を運んでくださり、本当にありがとうございます。この映画が世界に向けて発表される最初の1日に、この場に居合わせられたことをすごく幸せに思っています。今日は、最後までよろしくお願いします。


ーー河合さんからお話を伺いたいのですが、松居監督と初めての作品だと伺いました。監督とのお仕事はいかがだったでしょうか。


河合:予想していた通り、すごく柔らかくて優しい方で、一番、印象的だったのは、松居組のスタッフを含めた皆さんがすごく楽しそうな撮影現場だったので、それは、松居さんご自身が映画を作ること、物を作ることを楽しんでいる人なんだろうなとすごく感じました。


ーー監督、河合さんは、監督の誕生日ということをご存知だったようですよ。今日は、河合さんから素敵なプレゼントが届いていますので、スタッフの方がお持ちくださいます。


松居監督:えっ、そうなんですか。


ーー素敵な花束です。


松居監督:嬉しいです。


ーー本当でしたら、河合さんが手渡したいところなのですが、感染対策防止のためにセルフサービスで申し訳ございません。


河合:全部、自分で言っていると思って。


松居監督の:一言目に言ってしまって。ありがとうございます。


ーー監督、舞台挨拶の台本に「多分、監督が誕生日であることを初めに言うと思います」と書いてありました。


松居監督:その台本を書いた人は、後で説教をしないと(笑)。

ーー監督、お花をいただいて、一言、お願いいたします。


松居監督:そうですね。36歳になったんですけれども。僕の地元は福岡で、ちょうど地元で過ごした時間と東京で過ごした時間が半分半分になったことで、何か東京で頑張らねばいけないと思って。この作品が都会の東京や神奈川が舞台の映画となっていると思うので、何か運命を感じます。この花束もこれから観ていただく作品にもあげようと思っています。


ーー誕生日がキーになっている映画ですからね。


松居監督:言ったものの、段々、ちょっと恥ずかしくなってきました。

ーー監督は河合さんとご一緒されていかがでしたか。


松居監督:あんまり一緒にしたことがないタイプの雰囲気というか、こういう風に台本で想像していた演技とは全く違う雰囲気を知っていて。それが(照生のダンス仲間の)泉美として生き生きとしていく。すごく追い抜かれて行ったし、すごく足首をつかみながら、泉美という役を見つめていた感じはあります。面白かったです。


ーー河合さん、監督に足首をつかまれながら先を行っていたそうですけれども、このコメントを聞いていかがでしょうか。


河合:ちょっと大丈夫だったのかなあと思います。監督が予想していた泉美と違うようになって不安もあったのかなと思うのですけれども、周りのキャストの人たちに、私も泉美として変えられながら、成長させられながら、ひとりの役になっていく感覚だったので。分からないようで、今の言葉はすごく理解できました。


ーー監督、この映画は、池松壮亮さんと伊藤沙莉さんのキャスティングが本当にキーになっていると思うのですけれども。(これから上映する)お話は言えないのですが、どうしてこのお二人のキャスティングをしたのかお聞かせください。


松居監督:池松くんとは、10年くらいの付き合いで、舞台だったり、ドラマだったり、映画だったり、色々な作品を一緒にしていて。主題歌の音楽がクリープハイプというバンドで、尾崎(世界観)くんも出ているのですけれども。尾崎くんと池松くんと僕が20代の頃にすごく「何か新しいものを作ろう作ろう」と言って、ちょっと息切れして、離れ離れになったんですけれども。何か勝負がしたくて、池松くんにお願いして。そうなったときに太陽みたいな人がいたら、すごく良いなと思って伊藤さんにお願いしました。

ーーこの作品は、いつ撮影だったのですか。


松居監督:今年(2021年)の夏ですね。


ーーTIFFへの上映が早いですよね。


松居監督:どうしてもTIFFに出したくて頑張りました。


ーー監督は、TIFFでは4作品目ですか。


松居監督:はい、4回目です。


ーーコンペティションでは、2回目ですね。コンペで上映されることの意味や自分の中の想いがあれば、お聞かせください。


松居監督:やっぱり、海外の作品と一緒に並んで上映されるコンペティション部門のものは、他の作品も観ますし、文化の違いだったり、生き方の違いだったり、生活習慣の違いだったりとか、そういうものも含めて、比較してもらえたり、理解し合えたり出来たら、僕はすごく嬉しいです。海外の方も観られるので、どういう感想が来るのだろうかと楽しみです。ちょうど、この2年くらいが世界中で共通する流行病があって、そのときに、それぞれの感覚があると思っていて。僕らが日本で観ている東京の景色も色々あるけれども、「乗り越えて行こうよ」という想いもあったので、コンペティションに意味があるなと思いました。

ーーその話を含めて、皆さまには、映画も楽しんでいただけたらと思います。監督、実はもう一つ、サプライズプレゼントが届いております。お誕生日ですから、素敵なプレゼントがスタッフの方に運ばれてまいります。あれっ、スタッフじゃない。


松居監督:あれっ、嘘。


ーー池松壮亮さん。皆さま、改めまして、池松壮亮さんです。池松さんが中々、いらっしゃらないので待ちました。


池松:もうギリギリでした。

ーー皆さまに、一言、ご挨拶お願いします。


池松:池松です。今日は、本当にありがとうございます。お誕生日おめでとうございます。それから、この映画の誕生日のようなものなので、それを共有してくださる皆さんも本当にありがとうございます。東京国際映画祭で初めて上映できて、とても嬉しく思います。何より愛する松居大吾監督、おめでとうございます。

ーー監督、一言、お願いします。ケーキもすごく美味しそうです。


松居監督:胸がいっぱいですね。すごく嬉しいし。皆さまには、これから映画を楽しんでもらいたい想いもあったり。親が今日産んでくれたので、親への感謝もありますし。東京国際映画祭は、11月2日に上映させてもらったから、祝ってもらったので。少し混乱しています。早く映画を始めてください。



《 舞台挨拶の概要 》

開催日:2021年11月2日

会場:角川シネマ有楽町

登壇者:松居大悟(監督)、河合優美、池松壮亮



[ スチール:©︎2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会/文:おくの ゆか ]




《 『ちょっと思い出しただけ』ストーリー 》

別れた男女が最愛だった時を遡り、もう一度別れ直す。ジム・ジャームッシュ監督の名作に着想を得て、現代を反映させつつ描いた新しい形のちょっぴりビターなオリジナルラブストーリー。怪我で夢を諦めた元ダンサーの照生(池松壮亮)とタクシドライバーの葉(伊藤沙莉)の6年間に及ぶ恋愛模様を、照生の誕生日である7月26日の1日を通して描く。

◇第34回東京国際映画祭『ちょっと思い出しただけ』松居大悟Q&Aレポート
















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